「善玉菌」「乳酸菌」「ビフィズス菌」など、様々な名前を聞く機会があると思いますが、これらの違いをご存知でしょうか。
【総称】
善玉菌
腸内に存在する良い菌の総称。
乳酸菌やビフィズス菌も含まれます。
乳酸菌
腸内に存在する良い菌の中でも、乳酸を作り出す菌の総称。便宜上の呼び名です。
ビフィズス菌
腸内で乳酸と酢酸を作り出す2種類のタイプがある。乳酸を生成するビフィズス菌は乳酸菌に含まれる。
ビフィズス菌には乳酸を作り出さないものもいるので、乳酸菌の中でもビフィズス菌は区別されることが多い。
【乳酸菌例】
一般的な名称 | 菌属 | 菌種 | 特徴 | |
---|---|---|---|---|
ビフィズス菌 | ビフィダム菌 | ビフィドバクテリウム | ビフィダム | 世界で初めて発見されたビフィズス菌 |
ブレーベ菌 | ブレーベ | 乳児の腸内に存在する | ||
アドレスセンティス菌 | アドレスセンティス | ビタミンを合成、 健康な腸内で活動する | ||
ロングム菌 | ロングム | 大腸まで届き、善玉菌を増やして悪玉菌を減らす | ||
乳酸菌 | ガセリ菌 | ラクトバチルス | ガセリ | 人の腸内に常に存在する |
カゼイ菌 | カゼイ | 小腸で増殖する | ||
ブルガリア菌 | ブルガリカス | アミノ酸などを産生、 サーモフィルス菌を増殖させる | ||
ラムノーザス菌 | ラムノーザス | 胃酸や胆汁などの酸に強く、生きて大腸まで届く | ||
サーモフィルス菌 | スプレプトコッカス | サーモフィルス | 蟻酸を産生する、 ブルガリア菌増殖に必須 |
乳酸菌は多くの種類があるのでそれぞれ特徴があるにしても、一定の特性を持っています。
それが、「高温に弱い」という特性です。
発酵に適した40℃前後の温度が、乳酸菌が最も活発に活動できる温度です。
そのため、ヨーグルトやチーズなどを作る時には、この温度管理が非常に重要となります。
逆に乳酸菌は、低温に強いということで有名でもあります。
0℃以下になると乳酸菌は凍ってしまいますが、死滅はしません。
眠った状態になっているだけですから、解凍と共に温度が上昇するにつれて活動を始めます。
逆に温度が高くなった場合、60℃では約30分、100℃以上だとほんの数秒で乳酸菌は死滅してしまいます。
ですから、発酵食品を自宅で加熱調理などをすると、その多くの乳酸菌が死んでしまうことが分かります。
効果的に乳酸菌を摂取するためには、適切な環境で作られた製品を適切な方法で摂取しなければならないため、家庭で気をつけるとなると意外と難しいのが現状です。
そのため、サプリメントなど乳酸菌の事を考えて作られた製品は、多くの乳酸菌が死滅することなく、きちんと腸に届くように考えて作られていますから、効果を実感する人の声が多いのです。
善玉菌は体にとって良い働きを、悪玉菌は体にとって悪い働きをしています。
乳酸菌研究の第一人者であり、現在東京大学名誉教授を務めている光岡氏は、以下のように定めています。
善玉菌はビタミン合成、免疫機能の促進、病原菌の感染防御、消化吸収補助に寄与し、これらが健康維持・増進に繋がる。
悪玉菌は最近の毒素産生、腸内腐敗、発癌性物質の産生をもたらし、下痢・便秘、高血圧、動脈硬化、自己免疫疾患、肝臓障害、免疫抑制、発育障害、がんの発生につながる。
これらは、医学の様々な研究結果によって事実であることが立証されており、このことからも乳酸菌を含む善玉菌は人間にとって非常に大切なものであることが分かるのです。